キャットフードは賢く選ぼう

ドライキャットフードのふやかし方

カリカリした食感と硬さはドライキャットフードの大きな特徴です。
水分含有量を10%以下に調整して作られるドライキャットフードの形状的特質は、カビの発生を防いで保存性を高める、しっかり噛むことで歯の発育を促して顎を鍛える、歯垢がつきにくい、という利点でもあります。

そんなドライキャットフードを歯が生えそろう前の子猫や、歯が弱くなった老猫に与えるときは、獣医師の指示やキャットフードのパッケージを参考に、水でふやかし柔らかくしてから与える必要があります。

ドライキャットフードの基本的なふやかし方としては、水かぬるま湯を使用します。

水はミネラルの過剰摂取が心配されるミネラルウォーターは避け、普通の水道水を使います。 水道水は煮沸消毒したものが望ましいですが、熱湯はドライキャットフードに含まれるビタミンなどの栄養素を損なう恐れが指摘されているので、人肌程度まで冷まします。

餌を食べる事に不慣れな子猫や、夏バテなどで食欲のない猫など、水の代わりに猫用のミルクや肉を煮たスープでふやかす方法もあります。

ふやかす水分量は目的とする柔らかさによって異なりますが、器に入れたドライキャットフードがひたひたに浸かるくらいが目安です。

少ないと柔らかい部分と硬い部分が混在する状態になり、多すぎるとフードが全ての水分を吸収しきれず、栄養素の溶け出した水分が残ってしまう事になります。 なお器は加える水分量を考慮して深めのものを使います。

ふやかす時間は水かぬるま湯か、また夏期か冬期かによって、およそ10分~30分が目安となります。 出来あがりの感触としては、手でつまむと中心に芯が残っている状態から、力を加えるとウェットフードのように程よく崩れる状態、粒が完全に消えたべちゃべちゃのペースト状など様々です。

ふやかし方の具合については猫の好みもあるので、少量ずつ試し、最適な硬さになるように調整します。

ドライキャットフードをふやかした時の性質の変化としては、水でふやかす事でドライキャットフードの利点である保存性が低くなってしまう点があります。 したがって食べ残しは再利用せず、与えるたびに作ってあげる方が衛生的です。

また水分を加える事で乾燥状態では感じなかった匂いが強く出てくる場合もあります。 癖のある独特の匂いで、一般的には猫の食いつきを良くする効果があるとされています。

ドライキャットフードのふやかし方は水をかけるだけの簡単な方法で、常用食としているドライキャットフードをそのまま使用できるという利便性もあります。 ですので猫が餌に飽きた時や水分補給を兼ねたい時など、日々の食事のちょっとした工夫として取り入れてもいいでしょう。

【参考】
キャットフードと飲用水
http://www.theadstop.com/award/criteria.asp